まいにちあかるくたのしく

いきていこうよぉとおもうわたしのブログ

天気の子が性に合わなかった話

 

バイト先のお客さんと、天気の子についてちょっとお話したら自分の中で整理がついたので覚書。

 

 

20歳の小娘と、おそらく40代のおじさんとの会話は大体共通の話題探しから始まる。

わたしの父親も観たらしいし、これならいけるやろ!と思ったのが天気の子で、お客さんもやはり観ていたし、彼なりの解釈も持っていた。さすがの話題作である。

 

上から目線だが、わたしは天気の子をあまり好きになれなかった。まあ、「君の名は。」が天気の子公開直前に地上波で放送された際、ツイッターで巻き起こった「新海誠作品のきもちわるさ」議論を目にしていたから、多少偏見を持って観覧に臨んでしまったことも少なからず要因の一つであると思う。

 

 

たしかに、執拗に強調される胸とか寝ている女子から目を逸らせない男子とかうわぁーーー高クオリティ作画(しかも課金してIMAX)で男子の性欲フィルターかかった女の子観るのつれぇーーーーとかいろいろあったけど、問題はそこじゃなかった。

 

 

主人公が2度目に拳銃を手にしたシーン。

 

 

観てない人のために解説すると、主人公は物語の初めの方で偶然拳銃を拾う。ヒロインがキャッチに無理やり夜の店へと引っ張りこまれそうになっているところを発見し、キャッチと揉み合いになり、威嚇発砲する。2人で無事逃れることはできたが、ヒロインは主人公が発砲したことに対して「気持ち悪い!」「ありえない!」と非難する。(うろ覚え)

ヒロインに責められて落胆した主人公は、拳銃を捨てる。

 

物語の終盤、ヒロインを助けに行くために走る主人公だったが、拳銃所持の嫌疑をかけられていたため同時に警察の追手もせまる。追い詰められた主人公は、偶然拳銃を捨てた場所にたどり着き、警察に向かって拳銃を向ける。

 

 

そして、撃った

(当たってはいない)

 

 

 

どひゃ〜〜〜〜〜!!!

 

 

撃つんかい! お前、撃っていいんかい!!

 

 

ここからわたしの心は無になってしまった。ただポップコーンを貪り食うもぐもぐマシーンになってしまった。TOHOシネマズのグリーンカレーポップコーンは無のわたしにあたたかく辛くしみわたった。

 

 

 

ヒロインを助けるために、ヒロインが一度否定し拒否し拒絶した拳銃を、あろうことか拾っただけでなく引き金に指をかけて撃ってしまったことがもうダメだった。

 

 

あまりにも傲慢で、あまりにも自己中心的で、なるほど14歳の少女に年上の女性役をおしつける物語だけあるなぁと思ってしまった。

 

ありえない!って自分が拒絶したものを、もう一度、しかもあなたのためを想ってやりましたみたいな文脈でされたら普通冷めませんか?

 

サプライズはやめてねって重々言っていたのにフラッシュモブでプロポーズされるとか。

 

何回も念を押したのにこれが一番安かったから!とか言っていつもとちがう柔軟剤買ってくるとか。

 

犯罪行為なわけだから、これをもう、毎日毎回くりかえすよりも重い。

 

 

人は約束を反故にされるとサァーって冷めると思う。

 

わたしは天気の子にそこで冷めてしまった。

 

あぁ、この主人公はいざとなると周りが見えなくなってヒロインのことも蔑ろにするんだなぁと思ったら悲しくなってしまった。わたしはこの2時間、なにをみていたんだろう...

 

これをおじさんに話した。

 

おじさんは、全く別の見解だった。

 

曰く、あんなに怖がっていた拳銃をもう一度撃ってしまうほど主人公はヒロインのことを大切に想っているんだ、と捉えたらしい。

 

 

大切に想ってたら撃たねーーーだろーーーー!

 

心の中でおじさんにキレた。

 

仕事だから、にっこりわらって、ふむふむ、なるほどーとか言ったわたしはとても偉かった。でも結局ぶわぁーーーっとわき出る考えをまくし立てた。

 

 

そういうシーンにしたいなら、初めに拳銃を捨てた時、ヒロインに「ありえない!」なんて言わせなければよかったのに、と思うのだ。ヒロインは拳銃を良しと思っていないなんてシーン作んなきゃいいんだ。

 

つまり、物語前半の拳銃のシーンはただただ主人公の自己中でなにをも顧みないヒロインへの愛をみせつける仕掛けでしかなかったんだ。

 

ここまで文句を言ったが、わたしはこれが親子だったらすんなり受け入れられたように思う。親から子への無償の愛、子を想って法を犯す親、これなら美しい。恋愛が嫌いな女がただ吠えてるだけと思ってもらって構わない。

 

だが、それなら最後はハッピーエンドになってはいけないのだ。親は二度と子供に会えない。それは法を犯した親による、映画内社会への、視聴者への償いである。

 

でも、天気の子の2人はハッピーエンドになってしまう。しかも2人を除く世界はわりかしバッドエンド。

 

 

ここまでおじさんにマシンガントークして、はじめて気がついた。

 

 

うわぁーーーっやられたぁー!って思った。

 

どこまでも汚いストーリーを、どこまでも美しい映像でつつみこんでつつみこんで見えないように手厚く丁寧にラッピングして、あたかも感動ストーリーにしてしまう。

 

 

それを捲ろうとした人としなかった人で、作品への評価がガラリと変わる。

 

 

その瀬戸際を楽しんだ悪趣味な映画だったんだ.....。

 

新海誠ってすげぇや...。

 

これだけ熱く話し自己完結したところで、時間がきてしまった。この八村塁大好きおじさんはいつも2延長くらいしかしない。今から思えばお金払ってオタクっぽい天気の子考察を延々と聞かされてたのは少しかわいそうだった。

 

 

 

ドリンク出してくれたらバスケもちゃんと観るのになぁ。

 

 

 

おしまい